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gimmickkouza:electronic_basic:4:1_basic [2024/06/01 09:27] – 作成 lutamestagimmickkouza:electronic_basic:4:1_basic [2024/06/14 08:48] (現在) – [その3:抵抗とオームの法則] :秋月のリンク追加 lutamesta
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 (MΩの次はGΩ…と続きますが、電子工作でよく使うMΩくらいまで知ってればとりあえずOKです) (MΩの次はGΩ…と続きますが、電子工作でよく使うMΩくらいまで知ってればとりあえずOKです)
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 === 抵抗器の値の読み方 === === 抵抗器の値の読み方 ===
 {{ :gimmickkouza:electronic_basic:4:4-9.png?200|}} {{ :gimmickkouza:electronic_basic:4:4-9.png?200|}}
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 === オームの法則 === === オームの法則 ===
-{{ :gimmickkouza:electronic_basic:4:4-11.png?400|}} +{{:gimmickkouza:electronic_basic:4:4-11.png?400|}}
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 抵抗の読み方がわかったので、今度は実際に回路に組み込む抵抗を選定してみましょう! 抵抗の読み方がわかったので、今度は実際に回路に組み込む抵抗を選定してみましょう!
 この項冒頭に出てきた、LEDを点灯させる回路を例にして、必要な抵抗値の計算をします。 この項冒頭に出てきた、LEDを点灯させる回路を例にして、必要な抵抗値の計算をします。
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 **抵抗値の計算に必要なのが、「オームの法則」**です。 **抵抗値の計算に必要なのが、「オームの法則」**です。
 オームの法則の公式は、<text background="danger"> **電圧(V) = 電流(A) * 抵抗(R)** </text>です。 オームの法則の公式は、<text background="danger"> **電圧(V) = 電流(A) * 抵抗(R)** </text>です。
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 +{{:gimmickkouza:electronic_basic:4:4-12.png?400|}}
 +オームの法則は上の図のように表すこともできます。
  
 +電圧(V)、電流(A)、抵抗(R)の書かれた円の外に、円の上から下に向かって「÷」円の一番下には左右を繋ぐ「×」があります。
 +この記号の通り、下の電流(A)と抵抗(R)を掛け算すると、円の残りである電圧(V)が求められます。
 +また電圧(V)÷抵抗(R)をすると残りの電流(A)を、電圧(V)÷電流(A)をすると残りの抵抗(R)を求めることができます。
      
 +例えば、5Vの電源に、100Ωの抵抗を接続した場合、回路を流れる電流は以下の式で求められます。
 +  5(V) / 100(Ω) = 0.05(A)
 +ちなみに 1A = 1000mA なので、0.05A は50mAと読み替えことができます。
 +  
 +----
 +{{:gimmickkouza:electronic_basic:4:4-11.png?400|}}
 +先程の、LEDを光らせる回路に戻ります!
  
 +オームの法則を使ってLEDに適切な抵抗(R)の値を計算するには、前提となる電圧(V)と電流(A)の値が必要です。
 +今回この回路の仕様は、下記の通りとします。
 + 電源:5Vのモバイルバッテリー
 + LED:順電圧(Vf):3.5V / 順電流(If):15mA
 +  
 +またしても新しい単語が出現しました。LEDの「順電圧(Vf)」と「順電流(If)」について説明します!
  
 +== 順電圧(Vf) ==
 +LEDは+極から-極の順方向に向かって電気を流さないと光りません(逆方向だと最悪壊れます)
 +また順方向であっても、一定以上の値の電圧をかけなければ電流が流れず、これも光りません。
 +**"そのLEDを光らせることができる順方向の電圧の値"を、順電圧**といいます。
 +(パーツの**データシートには「Vf」と書き表されている**ことが多いです)
 +順電圧の値はLEDの個体毎に異なるので、使いたいLEDはデータシートで都度確認が必要です。
 +ちなみにLEDの色でざっくり傾向があり、例えば赤色や黄色LEDのVfは一般的に2V前後、白色や青色LEDのVfは3.5Vくらいのものが多いです。
 +
 +== 順電流(If) ==
 +LEDは流す電流が多ければ多いほど明るく光りますが、許容量を超えると壊れてしまいます。
 +また最悪発熱・発火することもあるので、適切な量の電流を流してやる必要があります。
 +**"LEDを安全に光らせることができる順方向の電流の推奨値"を、順電流**といいます。
 +(パーツの**データシートには「If」と書き表されている**ことが多いです)
 +  
 +{{:gimmickkouza:electronic_basic:4:4-13.png?400|}}
 +参考:ちゃんとしたお店のしっかりしたLEDなら、だいたいデータシートがついてるよ
 +  
 +----
 +「電源が5VでLEDにかける電流が15mAなら、 5(V) / 0.015(A) = 333.33333…(Ω)でよくね?」
 + と思うかもしれないじゃないですか? <text type="muted"> (講師は若干そう思いかけましたよ…(震え声)) </text>
 + でも残念ながらこれではダメなんですね。
 +  
 +{{:gimmickkouza:electronic_basic:4:4-5.png?400|}}
 +電圧の特性をもう一度思い出しましょう!
 +回路に直列に素子を繋いだ場合、各素子にかかる電圧の総合計が電源電圧と等しくなります。
 +  
 +{{:gimmickkouza:electronic_basic:4:4-14.png?400|}}
 +今回の回路では、電源の電圧は5Vです。
 +またLEDの順電圧は3.5Vなので、LEDには3.5Vの電圧をかける必要があります(3.5V未満だと光りません…)
 +抵抗とLEDはこの回路上では直列に繋がれている関係です。
 +なので、5V - 3.5V = 1.5V となり、この抵抗には1.5Vの電圧がかかることがわかります。
 +  
 +今回求めるのはこの抵抗器の抵抗(R)なので、電圧(V)には抵抗器の電圧1.5Vを入れる必要があります。
 +そんなわけで、抵抗(R)を求める最終的な計算式はこちらです。
 +  
 +V【5V(電源電圧) - 3.5V(LEDのVf) = 1.5V(抵抗器の電圧)】
 +―――――――――――――――――――――――――――― = R【100Ω(抵抗器の抵抗)】
 +        A【0.015A(LEDのIf)】
 +  
 +今回この回路では100Ωの抵抗を採用すればLEDに適切な電流を流せることがわかりました!
 +もし計算結果と全く同じ大きさの抵抗が存在しなかった場合は、"最も近い値の少し大きめの抵抗"を採用するのが基本となります。
 +
 +例:計算結果が85Ω → 100Ωを採用する
 +  計算結果が450Ω → 470Ωを採用する
 +  
 +==抵抗値計算に便利なページもあるよ!==
 +秋月電子通商の抵抗値計算ページが便利です。
 +https://akizukidenshi.com/catalog/pages/led-r-calc.aspx
  
-==== そ1:電圧について ====+/*<alert type="danger">秋月抵抗値計算ページもおすすめです 
 +https://akizukidenshi.com/catalog/pages/led-r-calc.aspx</alert>*/
  
-==== その1:電圧について ====