差分
このページの2つのバージョン間の差分を表示します。
次のリビジョン | 前のリビジョン | ||
gimmickkouza:electronic_basic:4:1_basic [2024/06/01 09:27] – 作成 lutamesta | gimmickkouza:electronic_basic:4:1_basic [2024/06/14 08:48] (現在) – [その3:抵抗とオームの法則] :秋月のリンク追加 lutamesta | ||
---|---|---|---|
行 116: | 行 116: | ||
(MΩの次はGΩ…と続きますが、電子工作でよく使うMΩくらいまで知ってればとりあえずOKです) | (MΩの次はGΩ…と続きますが、電子工作でよく使うMΩくらいまで知ってればとりあえずOKです) | ||
- | |||
=== 抵抗器の値の読み方 === | === 抵抗器の値の読み方 === | ||
{{ : | {{ : | ||
行 141: | 行 140: | ||
=== オームの法則 === | === オームの法則 === | ||
- | {{ : | + | {{: |
- | + | ||
抵抗の読み方がわかったので、今度は実際に回路に組み込む抵抗を選定してみましょう! | 抵抗の読み方がわかったので、今度は実際に回路に組み込む抵抗を選定してみましょう! | ||
この項冒頭に出てきた、LEDを点灯させる回路を例にして、必要な抵抗値の計算をします。 | この項冒頭に出てきた、LEDを点灯させる回路を例にして、必要な抵抗値の計算をします。 | ||
- | |||
**抵抗値の計算に必要なのが、「オームの法則」**です。 | **抵抗値の計算に必要なのが、「オームの法則」**です。 | ||
オームの法則の公式は、< | オームの法則の公式は、< | ||
+ | |||
+ | {{: | ||
+ | オームの法則は上の図のように表すこともできます。 | ||
+ | 電圧(V)、電流(A)、抵抗(R)の書かれた円の外に、円の上から下に向かって「÷」円の一番下には左右を繋ぐ「×」があります。 | ||
+ | この記号の通り、下の電流(A)と抵抗(R)を掛け算すると、円の残りである電圧(V)が求められます。 | ||
+ | また電圧(V)÷抵抗(R)をすると残りの電流(A)を、電圧(V)÷電流(A)をすると残りの抵抗(R)を求めることができます。 | ||
+ | 例えば、5Vの電源に、100Ωの抵抗を接続した場合、回路を流れる電流は以下の式で求められます。 | ||
+ | 5(V) / 100(Ω) = 0.05(A) | ||
+ | ちなみに 1A = 1000mA なので、0.05A は50mAと読み替えことができます。 | ||
+ | |||
+ | ---- | ||
+ | {{: | ||
+ | 先程の、LEDを光らせる回路に戻ります! | ||
+ | オームの法則を使ってLEDに適切な抵抗(R)の値を計算するには、前提となる電圧(V)と電流(A)の値が必要です。 | ||
+ | 今回この回路の仕様は、下記の通りとします。 | ||
+ | 電源:5Vのモバイルバッテリー | ||
+ | LED:順電圧(Vf):3.5V / 順電流(If):15mA | ||
+ | |||
+ | またしても新しい単語が出現しました。LEDの「順電圧(Vf)」と「順電流(If)」について説明します! | ||
+ | == 順電圧(Vf) == | ||
+ | LEDは+極から-極の順方向に向かって電気を流さないと光りません(逆方向だと最悪壊れます) | ||
+ | また順方向であっても、一定以上の値の電圧をかけなければ電流が流れず、これも光りません。 | ||
+ | **" | ||
+ | (パーツの**データシートには「Vf」と書き表されている**ことが多いです) | ||
+ | 順電圧の値はLEDの個体毎に異なるので、使いたいLEDはデータシートで都度確認が必要です。 | ||
+ | ちなみにLEDの色でざっくり傾向があり、例えば赤色や黄色LEDのVfは一般的に2V前後、白色や青色LEDのVfは3.5Vくらいのものが多いです。 | ||
+ | |||
+ | == 順電流(If) == | ||
+ | LEDは流す電流が多ければ多いほど明るく光りますが、許容量を超えると壊れてしまいます。 | ||
+ | また最悪発熱・発火することもあるので、適切な量の電流を流してやる必要があります。 | ||
+ | **" | ||
+ | (パーツの**データシートには「If」と書き表されている**ことが多いです) | ||
+ | |||
+ | {{: | ||
+ | 参考:ちゃんとしたお店のしっかりしたLEDなら、だいたいデータシートがついてるよ | ||
+ | |||
+ | ---- | ||
+ | 「電源が5VでLEDにかける電流が15mAなら、 5(V) / 0.015(A) = 333.33333…(Ω)でよくね?」 | ||
+ | と思うかもしれないじゃないですか? <text type=" | ||
+ | でも残念ながらこれではダメなんですね。 | ||
+ | |||
+ | {{: | ||
+ | 電圧の特性をもう一度思い出しましょう! | ||
+ | 回路に直列に素子を繋いだ場合、各素子にかかる電圧の総合計が電源電圧と等しくなります。 | ||
+ | |||
+ | {{: | ||
+ | 今回の回路では、電源の電圧は5Vです。 | ||
+ | またLEDの順電圧は3.5Vなので、LEDには3.5Vの電圧をかける必要があります(3.5V未満だと光りません…) | ||
+ | 抵抗とLEDはこの回路上では直列に繋がれている関係です。 | ||
+ | なので、5V - 3.5V = 1.5V となり、この抵抗には1.5Vの電圧がかかることがわかります。 | ||
+ | |||
+ | 今回求めるのはこの抵抗器の抵抗(R)なので、電圧(V)には抵抗器の電圧1.5Vを入れる必要があります。 | ||
+ | そんなわけで、抵抗(R)を求める最終的な計算式はこちらです。 | ||
+ | |||
+ | V【5V(電源電圧) - 3.5V(LEDのVf) = 1.5V(抵抗器の電圧)】 | ||
+ | ―――――――――――――――――――――――――――― = R【100Ω(抵抗器の抵抗)】 | ||
+ | A【0.015A(LEDのIf)】 | ||
+ | |||
+ | 今回この回路では100Ωの抵抗を採用すればLEDに適切な電流を流せることがわかりました! | ||
+ | もし計算結果と全く同じ大きさの抵抗が存在しなかった場合は、" | ||
+ | |||
+ | 例:計算結果が85Ω → 100Ωを採用する | ||
+ | 計算結果が450Ω → 470Ωを採用する | ||
+ | |||
+ | ==抵抗値計算に便利なページもあるよ!== | ||
+ | 秋月電子通商の抵抗値計算ページが便利です。 | ||
+ | https:// | ||
- | ==== その1:電圧について ==== | + | /*<alert type=" |
+ | https:// | ||
- | ==== その1:電圧について ==== |